皆さんは YouTubeで多くのVTuberがゲーム配信をしているのを見て、「私もこんな風にゲームで稼ぎたい!」と憧れたことはありますか?
そんな夢を持ってVTuberの道を歩み始めたものの、ゲーム配信で視聴者が集まらず、同時接続数がゼロ……そんな経験をした方も少なくないでしょう。個人で活動するVTuberさんたちは、厳しい現実が待ち受けていますよね。
今日は、なぜゲーム実況で収益化が難しいのか、そして、その壁を乗り越えるための解決策についてお話しします。
こんにちは。氷晶ウミです。私は個人VTuberコミュニティの運営として支援活動を行っています。実績は2024年4~5月の1ヶ月で6人の新人Vtuberが収益化しました。
個人勢VTuberが厳しい理由
企業勢VTuberと比較して知名度が無い
現在はカバー株式会社の「ホロライブ」や、ANYCOLOR株式会社の「にじさんじ」など、多くの企業勢VTuberが登場していますよね。大手事務所に所属する企業勢VTuberは、新人VTuberにとって大きなアドバンテージをもたらしています。事務所の強力なブランドとマーケティング能力により、デビュー前から多くの登録者を確保することができます。さらに、高品質な動画制作環境と創造的なコンテンツサポートを受けることで、競争が激しい市場でもファンを獲得しやすくなっています。
しかし、個人VTuberはこれらの恩恵を受けることがありません。前世が企業勢VTuberでない限りは完全に無名からのスタートになってしまいます。限られたリソースの中で成功を収めるためには、創意工夫と持続的な努力が不可欠です。最初に書いたように、ライブ配信で同接がゼロということも当たり前のように起きています。
YouTube市場が飽和している
YouTube市場の飽和は、個人VTuberが収益化に苦労する大きな要因の一つです。毎日数え切れないほどのVTuberが新しいチャンネルを開設しており、YouTubeだけでも30,000人近くのライバルがいると推測できます。他のプラットフォームを含めれば40,000人以上いると言われています。このような競争が激しい市場は「レッドオーシャン」と呼ばれ、2024年現在、個人VTuberが伸びるには難しい環境と言えます。
YouTubeアルゴリズムに対応できない
皆さんはアルゴリズムと言う言葉をご存じでしょうか? 簡単にいえば「おすすめや検索結果に表示される動画の順番を決める仕組みのこと」です。 どの動画を次に見るべきかを教えてくれる賢いお助けマンのようなものですね。近年では、動画の尺・総再生時間・視聴回数・エンゲージメント・キーワード・チャンネル登録者数の成長率・クリック率・平均視聴時間など、私たちがどれだけその動画に夢中になっているか、色々なデータを使って「お気に入り」を予測してくれます。
このようなアルゴリズムはWebマーケティングの業界では非常に大切な要素です。でも多くの人はマーケティングを学んだことが少ないかもしれません。それもそのはず、アルゴリズムは日々進化しているから、勉強するのが大変なんですよね。個人VTuberの方々は、自分で一から勉強しなければいけません。それが大きなハンデになってしまうんです。対して企業勢VTuberの場合は、マーケティングのプロがしっかりサポートしてくれるので、伸びやすい動画を投稿することが出来るのです。
特にゲーム配信をしているVTuberにとっては、アルゴリズムも大きく関係し、より登録者が伸びにくい状態が顕著に現れています。ここからは、ゲーム実況やゲーム配信の問題点をさらに深堀りしていこうと思います。
個人VTuberのゲーム配信がオワコンな理由 4選
流行りのゲームに便乗しても伸びない
まず1つ目は、流行りのゲームに便乗しても、登録者は伸びにくいということです。少し言い換えると「流行っているゲーム」と世間で言われるようになったタイミングでは、そのゲームに新規参入しても手遅れと言うことが多いです。なぜなら、多くの視聴者は早い段階でそのゲームについて知識を知ってしまい、新たな配信者が参入しても新鮮味が薄れてしまうためです。
ゲーム配信の醍醐味は、配信者と視聴者がゲーム内で得た新しい情報を共有し、一緒に驚きや興奮を味わうことにあります。しかし、配信者が初めて経験する内容でも、視聴者が既に知っている場合、盛り上がりに欠けることがあります。さらに、ネタバレによるトラブルのリスクもあるため流行りのゲームに便乗するリスクも大きくなってしまいます。
したがって、ゲーム配信で注目を集めるには、ゲームが流行する前、または発売直後に情報がまだ少ない段階で実況を開始することをお勧めします。ゲームが流行る前、つまり情報が渇望されている時期に配信を開始すれば、視聴者は新しい発見を求めて様々な配信者の動画を視聴する傾向にあるからです。
有名な配信者に視聴者を取られる
2つ目は、有名な配信者に視聴者を取られてしまうということです。1つ目の提案に、ゲームが流行る前に始めるか発売された直後で何も情報が出回っていない段階で始めるべきとご紹介しました。しかしゲーム配信の世界は競争が激しく、新しいゲームが発売されると、多くの配信者がすぐにそのゲームをプレイし始めます。
特に、既に多くのフォロワーを持つ有名な配信者や、大手事務所が支援するVTuberは、YouTubeのアルゴリズムによって優先的に上位表示されることがあります。個人VTuberがマーケティング対策を行っても、競争が激しいジャンルでは他の配信者も同様の戦略を取りがちです。
その結果、YouTubeの上位表示を獲得することは非常に困難になります。このような状況は、小規模な個人VTuberが新しい視聴者に発見される機会を減少させ、新規チャンネル登録者の増加を妨げる主な要因となっています。
話す力(実況力や雑談力)が足りない
3つ目は話す力(実況力や雑談力)が足りない事です。2つ目の段階で運よく視聴者の目に留まったとしても、話術がなければ視聴者を引き留めるのは難しいということですね。
そこで個人VTuberの視聴者層を大きく二つに分けてみることにします。「VTuberの人間性や話術を楽しむ視聴者」と「特定のゲームを楽しむ視聴者」です。今回は、「VTuberの人間性や話術を楽しむ視聴者」に焦点を当ててみましょう。
まず多くの対戦ゲーム配信では、繰り返しのプレイによって戦略や反応が似てくることがありますよね。そのような中で、配信者は実況するネタが無くなってきます。そのためゲーム以外の雑談を取り入れることで、新鮮なコンテンツを提供しています。しかし逆の表現をすると、ゲームコンテンツの浅さを、雑談コンテンツで補っているとも考えられます。
ゲーム配信で人気を集めている配信者は、話術に長けていることが多いです。彼らは自分の得意分野を活かし、雑談だけで視聴者を惹きつけています。雑談力を磨けば、自然と視聴者が集まるものです。
しかし、話が平均的であったり、面白みに欠けると、同時接続者数が少なくなる傾向にあります。また、自分自身の話術を客観的に評価するのは非常に難しいです。そのため、話下手であることに気づかない個人VTuberも少なくありません。ゲーム配信者の多くはインドア派で、一人で過ごす時間が多いため、コミュニケーションスキルが不足していると感じることもあります。
頻繁にゲームを変えると登録者が離れる
最後4つ目は、頻繁にゲームを変えると視聴者を失う原因になる事です。前述した2種類の視聴者層の後者、「特定のゲームを楽しむ視聴者」に焦点を当ててみましょう。
彼らは配信者の個性よりもゲームそのものを愛しており、共に仲間として楽しむことを望んでいます。もちろん純粋に個性もゲームも両方愛している真面目なファンもいます。
配信者が陥りがちな罠として、新しいゲームに挑戦すれば、視聴者を増やせるだろうと考えることです。内心、1つのゲームで飽きてしまうという事もあるでしょう。ただし前述したように流行りのゲームや新しいゲームをしても新規登録者が大きく増加することはありません。
その上、大きなデメリットとして既存のファンが不満を持ち始める原因を作ってしまいます。例えば、コメント欄に「最近はAPEXをやらないのはなぜですか?」や「参加型ゲームの配信はやらないのですか?」といった不満の声が寄せられることがあります。もちろん、配信者の魅力を求めているファンならば、異なるジャンルのゲームでもついてきてくれるでしょう。
そのため、多くのゲームに手を出すほど、特定のゲームの配信頻度が減り、結果としてファンの不満が増し、離れていくことになります。これは、視聴者がVTuberの個性を求めているのではなく、単にゲームを楽しむ仲間として配信者を見ていることを意味しています。
視聴者ファンを増やすためには?
ここまでの内容を読んで、「ゲーム配信は厳しいのかもしれない」と感じている、個人VTuberや配信者の方もいらっしゃるかもしれません。
従来までは「自分に特技が無いから取り敢えずゲーム配信をやろう」という人が多かったように思います。しかしVTuber文化が浸透した昨今では「他人より優れたコンテンツをVTuberで発信していこう」という時代になっています。では、VTuberは、この競争の激しい世界でどのように立ち向かえば良いのでしょうか?
解決策➀ゲーム以外に特技は無いの?
結論から書いてしまうと、ゲーム配信よりも特技や得意分野を題材にすることでライバルの数が大幅に減り、視聴者に見つけて貰いやすくなります。
特に最近のホロライブやにじさんじでは、専門知識や特技を持っているVTuberが続々と登場しています。例えば、元学芸員で美術に詳しい、元漫画家で絵が上手い、外国語が話せる、プログラミングが出来るなどです。年々VTuberに求められるスキルが上がってるように感じます。
比較的、20代以降の人であれば、努力した経験や、趣味を極めた経験があるのではないでしょうか。それをVTuberとして有益な情報を発信する事でゲームよりも人が集まりやすくなります。VTuberは見た目で判断される事が無いため、年齢層や経験値が高い人の方がコンテンツ提供として有利になります。
解決策②ゲーム配信以外したくない場合
2017年からVTuberが登場しましたが、初期であればゲーム配信だけで登録者はみるみる増えていく時代でした。しかし2024年以降は、視聴者に有益なコンテンツを提供できるかがポイントになってきます。
言い換えると、視聴者のニーズを理解し、彼らが求める満足感、有益を提供することが重要になったという事です。自分がゲームをしたいからゲーム配信をするという自分本意な考え方はもう通用しません。ゲーム配信だけで、視聴者に何を提供していく予定でしょうか?
ゲーム配信だけで考える場合は、自分に何の魅力があるのか?何を視聴者に提供できるか?を常に考えて配信活動していかなければ、どこかで伸びが止まってしまうと思います。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。今回の記事はベテランのゲーム配信者から教えてもらった情報も含まれますので、少し厳しい内容もあったかと思います。
もし伸び悩んでいる人がいたら、ぜひ「視聴者は配信者に何を求めているのか、それを提供できる個性や技術を持っているのか」という所を見返してみてください。VTuberや配信者は自分自身が商品なので、自己分析と顧客分析は定期的に行っていくべきだと思っています。
これらのノウハウは私たちが運営する個人VTuber支援コミュニティ「TRYV-トライブ-」で無料提供しています。Discordアカウントがあれば参加無料です。18歳以上で企業・事務所に未所属の個人VTuberが参加できます。ベテランVTuberからのアドバイスや、運営によるコンテンツ支援も行いますので、分からない事がありましたらお気軽にお声がけください。
先ほどはゲーム配信について厳しい意見を書きましたが、TRYVでは「マインクラフト」の収益化コンテンツ(特権)を持っています。最初に紹介した、6人の新人VTuberの収益化は全てマインクラフトによるものです。挑戦してみたい人がいましたらTRYVでお待ちしています。
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【個人Vtuberは本当に伸びない?】Discordコミュニティ「TRYV」に所属して収益化を達成する方法とは!? | (umilite.jp)
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